監査法人トーマツとデロイトトーマツの違いを解説!デロイトはどんな組織?

「監査法人トーマツ」と「デロイトトーマツ」は、名前が似ているものの、実際には異なる組織です。監査法人トーマツは、主に日本国内での監査業務を専門とする法人で、一方デロイトトーマツは、デロイトグローバルネットワークの一員として幅広いプロフェッショナルサービスを提供しています。本記事では、これらの違いを詳しく解説し、デロイトトーマツの組織の特性と役割についてもご紹介していきます。

目次

監修

荒木大介

株式会社ARK 代表取締役社長/プレジデント・シニアコンサルタント
1998年~ マカフィー株式会社
2002年~ ベリタスソフトウェア株式会社 (現シマンテック) : アカウントマネージャー
2004年~ インテル株式会社 : セールスマネージャー
2013年~ 株式会社ARK : 代表取締役

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監査法監査法人トーマツとデロイトトーマツの違い

監査法人トーマツとデロイトトーマツは、その名称から混同されがちですが、実際には異なる組織です。まず、監査法人トーマツの基本情報を押さえることで、その設立背景や主な業務内容について理解を深めましょう。その後、デロイトトーマツの基本情報を紹介し、両者の違いをより明確にするための情報を提供していきます。

監査法人トーマツの基本情報

監査法人トーマツは、日本の大手監査法人の一つで、1968年に設立されました。現在、約6800人の社員を擁し、そのうち3200人が公認会計士です。日本最大級の会計事務所として、監査業務を中心に、マネジメントコンサルティング、株式公開支援、ファイナンシャルアドバイザリーサービスなど、多岐にわたるサービスを提供しています。その事業範囲は会計監査・証明業務だけでなく、エンタープライズリスクサービスやファイナンシャルアドバイザリーサービス、さらにコンサルティングサービスも含まれており、幅広い業務をカバーしています。企業の財務健全性を確保し、ビジネスの成長を支援するための多様なサービスが展開されています。

デロイトトーマツの基本情報

デロイトトーマツは、日本最大級の経営コンサルティングファームであり、マネジメントコンサルティングのリーディングファームの一つです。デロイトグローバルネットワークの一員として、日本国内におけるコンサルティングサービスを包括的に提供しており、提言から戦略立案、実行まで一貫した支援を行っています。また、監査法人トーマツやDTFA(デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー)と連携し、幅広いサービスを展開しています。業種別と機能別のコンピテンシーに基づいて組織されており、プロジェクトではそれぞれの専門家が集まり、クライアントの課題解決に向けて協力します。このように、デロイトトーマツは専門知識を活かし、複雑なビジネス課題に対応していることがわかります。

監査法人トーマツとデロイトトーマツは同じグループの別会社

監査法人トーマツとデロイトトーマツは、どちらもデロイトグループに所属する会社ですが、それぞれ異なる専門分野で活動しています。デロイトトーマツコンサルティングは、経営コンサルティングに特化しており、企業の戦略立案や実行支援を行っています。マネジメントコンサルティングのリーディングファームとして、幅広い業種のプロジェクトに対応しています。一方、デロイト監査法人トーマツは「監査法人」として企業の財務諸表を監査し、粉飾決算の有無を確認する役割を担っています。監査法人であるため、財務コンサルティングも行いますが、主な業務は会計監査です。両社はデロイトグループ内での異なる専門性を持ち、それぞれの分野で高い専門性と信頼性を提供しています。

デロイトトーマツグループの組織関係

デロイトトーマツグループの組織関係を理解するためには、その構成や歴史的背景が重要です。特に、監査法人の子会社として誕生したデロイトトーマツコンサルティングの設立経緯や役割について知ることが、グループ全体の機能を理解する鍵となります。次に、デロイトトーマツがどのように様々な企業の基盤となっているのかについて詳しく見ていきましょう。

監査法人の子会社として誕生したデロイトトーマツコンサル

デロイトトーマツコンサルティングは、1993年に監査法人トーマツの子会社として設立されました。設立当初から、監査法人が以前に行っていたコンサルティング業務を独立して請け負うことを目的としていました。これにより、監査業務とコンサルティング業務の明確な分業が実現し、専門性の高いサービスの提供が可能になりました。
トーマツコンサルティングの誕生は、監査法人の知見とリソースを活かしつつ、コンサルティング分野に特化した独立したサービスを提供するための重要なステップでした。これにより、より専門的なコンサルティングサービスがクライアントに提供され、デロイトトーマツグループ全体のサービスの幅が広がったといえるでしょう。

デロイトトーマツは様々な会社の基盤となる会社

デロイトトーマツは、多様な専門会社を統括し、グループ経営を推進する重要な役割を担っています。2001年にはデロイトトーマツコーポレートファイナンス株式会社が設立され、次いで2002年には税理士法改正により税理士法人トーマツが誕生しました。これにより、コーポレートファイナンスや税務分野での専門性が強化されたことがわかります。
さらに、2014年にはデロイト トーマツ合同会社が設立されたことにより、さまざまな専門会社を効果的に統合するための基盤が整いました。この組織再編は、デロイトトーマツグループ全体の経営戦略を強化し、より一層のグループ経営の推進を実現するための重要なステップとなりました。デロイトトーマツは、これらの取り組みを通じて、多様な業界やサービスを包括する強固なグループ基盤を築いています。

監査法人トーマツとデロイトトーマツの仕事の違いとは?

監査法人トーマツとデロイトトーマツは、同じデロイトグループに属していますが、その業務内容には明確な違いがあります。それぞれの会社が提供するサービスの範囲と焦点が異なり、それが業務の内容にも反映されています。ここでは、監査法人トーマツの業務内容とデロイトトーマツの業務内容について詳しく見ていき、それぞれの専門分野と役割の違いを明らかにします。

監査法人トーマツの業務内容

監査法人トーマツは、企業の財務諸表の正確性を確保するための監査業務を中心に活動していますが、その役割は財務報告の信頼性を提供することにあります。ここでは、監査法人トーマツの具体的な監査業務の内容やコンサルティングの内容について詳しく見ていきましょう。

監査業務

監査業務とは、企業の財務諸表が適正であるかを公認会計士が公正な立場で確認し、誤りや粉飾がないことを保証するプロセスです。この業務は、外部の独立した監査法人が行うことで、企業の財務情報の信頼性を確保し、投資家や利害関係者に対して正確な情報を提供します。

監査を実施する際、監査人は公正不偏の態度を保つことが求められ、特定の利害関係を持たず、その疑いを招かないようにする必要があります。これにより、監査結果が客観的で信頼できるものであると認められるため、企業の財務報告の透明性が維持されるのです。

コンサルティング

コンサルティング業務では、クライアントに対してさまざまな課題解決のための相談や助言を提供します。この分野には、財務コンサルティング、M&Aアドバイザリー、企業再生アドバイザリーなどが含まれますが、監査法人トーマツでは特に財務コンサルティングが主要な業務です。
財務コンサルティングでは、企業の財務状況の分析や資金調達の支援、戦略的な財務計画の立案などを行います。以前は、M&Aアドバイザリー業務や企業再生アドバイザリー業務も監査法人が担当していましたが、現在は専門性の高いコンサルティング業務が独立して提供されるようになったため、より専門的なサービスが実現されているのです。

デロイトトーマツの業務内容

デロイトトーマツのコンサルティング業務は、2つの主要なチームに分かれています。ひとつは、コンピテンシーサービスで、人事サービス、M&A(合併・買収)、組織改革などに特化した専門チームがあります。これらのチームは、各分野の深い知識と経験を持ち、特定の課題に対して専門的なソリューションを提供しています。
もうひとつは、インダストリーサービスで、クライアントの業界ごとに分かれたチームが存在します。これにより、業界特有のニーズや課題に対応したコンサルティングを実施します。デロイトトーマツは、企業の具体的なニーズに応じたカスタマイズされたコンサルティングサービスを提供し、クライアントの成功をサポートしています。

監査法人トーマツとデロイトトーマツの福利厚生に違いはあるの?

監査法人トーマツとデロイトトーマツの両社は、福利厚生において健康や医療支援、給与体系、育児・介護支援、キャリア育成の各面で充実した制度を提供しています。しかし、両社の支援体制には若干の違いがあります。
両社ともに健康や医療支援が充実しており、社員の健康を守るための様々なプログラムが用意されています。給与体系は仕事の成果を反映する形で設計されており、成果主義が導入されています。また、育児や介護支援も充実しており、家庭と仕事の両立を支援しています。
一方で、デロイトトーマツは特にキャリア育成に力を入れており、研修や教育プログラムが豊富で、グローバルなキャリアパスの提供が特徴です。監査法人トーマツもキャリア育成に注力していますが、デロイトトーマツのように広範なグローバルネットワークを活かした支援はありません。それぞれの福利厚生が、各社の業務内容や企業文化に合わせて設計されていることが伺えます。

まとめ

監査法人トーマツとデロイトトーマツは、同じデロイトグループに属しながらも、異なる役割と業務内容を持つ組織です。監査法人トーマツは、企業の財務諸表の適正性を確認する監査業務を中心に、信頼性の高い財務報告を提供しています。一方、デロイトトーマツは、経営コンサルティングに特化し、幅広い業界に対して戦略的な助言や実行支援を行っていることが分かります。
両社の福利厚生も充実しており、健康支援や給与体系、育児・介護支援において共通する点が多いものの、デロイトトーマツはキャリア育成においてグローバルな視点を持ち、より多様な成長機会を提供しています。それぞれの会社が異なる専門性を持ちつつ、デロイトグループ全体として総合的なサービスを展開しており、クライアントや社員に対して価値を提供し続けているのです。

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