アビームコンサルティングは激務?厳しいといわれる理由ややりがい、働き方について解説

アビームコンサルティングは、多くのコンサルティングファームと同様に、激務であるとされることが少なくありません。その理由として、クライアントの期待に応えるために高い専門性が求められることや、プロジェクトの進行に伴うタイトなスケジュールが挙げられます。しかし、その厳しさの中には、多くのやりがいや自己成長の機会も隠されています。
本記事では、アビームコンサルティングの働き方や、厳しいといわれる背景、そして仕事に対するやりがいについて詳しく解説します。

目次

監修

荒木大介

株式会社ARK 代表取締役社長/プレジデント・シニアコンサルタント
1998年~ マカフィー株式会社
2002年~ ベリタスソフトウェア株式会社 (現シマンテック) : アカウントマネージャー
2004年~ インテル株式会社 : セールスマネージャー
2013年~ 株式会社ARK : 代表取締役

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アビームコンサルティングはなぜ激務といわれるのか?

アビームコンサルティングが激務といわれる理由の一つは、仕事量の多さにあります。プロジェクトごとに求められるタスクが多いため、コンサル特有のスピード感に慣れていない場合は特に厳しいと感じることがあるでしょう。また、外資系コンサルティングファームであることから、離職率が高いのではないかというイメージも少なからず影響しています。

仕事量が多い

アビームコンサルティングで仕事量が多いと感じる背景には、いくつかの要因があります。まずは、クライアントの期待値がプロジェクト受注時に想定していたよりも高かった場合です。計画していたメンバーの工数では足りず、追加の人材を投入できない場合には、既存メンバーの労働時間が長くなりがちです。また、プロジェクトが途中で炎上し、予定外の対応が求められると仕事量の増加につながることがあります。
さらに、納期などの時間的な制限も仕事量の多さを助長する要因と言えるでしょう。プロジェクトには締め切りが設定されており、成果物がまだ完成していない場合は納期に間に合わせるために激務になることがあります。特に顧客のITシステムの入れ替えなどは、顧客企業が休日の間に実施することが多く、その準備や対応には膨大な労働時間が必要とされることがあります。これらの要因が重なることで仕事量が増え、激務と感じられる状況が生まれてしまいます。

コンサル特有の仕事に慣れていない

コンサル特有の仕事に慣れていないことも、激務と感じられる一因です。コンサルタントの仕事は、具体的な製品やサービスを提供するのではなく、アイデアや論理をクライアントに提案し、それを実行に移すことです。こうした少し特殊な仕事内容、事業会社を経験していない人々にとっては、前職と仕事内容が大きく異なるため、戸惑うことが多いです。
特に若手の間は、クライアントに直接価値を提供するというよりは、社内会議への参加、資料作成、データ分析など、裏方のタスクが中心となります。これらのタスクは、プロジェクトの進行やクライアントへの提案に必要不可欠ですが、具体的な成果が見えにくいものです。そのため、慣れないうちはストレスを感じることが少なくありません。また、業務のスピードも速いことから、これらのタスクを短期間で高品質に仕上げることが求められます。そのようなプレッシャーも、激務と感じる要因となります。コンサル特有の仕事に適応するには、時間と経験が必要であり、特にキャリアの初期段階では負担が大きくなりがちです。

外資系なので離職率が高いイメージがある

アビームコンサルティングは外資系コンサルティングファームであるため、一般的に「離職率が高い」というイメージを持たれることがあります。しかし、実際にはアビームコンサルティングの離職率はBig4(デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティティング、KPMGコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング
)やアクセンチュアなどの同業と比較しても低いとされています。アビームコンサルティングの離職率の低さは、入社後に整備された手厚い教育体制が大きな要因です。
アビームコンサルティングでは、新入社員が業務にスムーズに取り組めるように、充実した研修プログラムやサポートが用意されています。この教育体制により、入社直後から必要なスキルや知識を習得し、現場での業務に自信を持って臨むことができます。そのため、入社後に業務についていけず、放置されるような状況に陥ることが少なく、結果として離職率の抑制に繋がっているのです。
また、サポート体制が整っていることで、社員が自己成長を実感しやすく、長期的なキャリア形成に前向きになれる環境が整っています。このような背景から、アビームコンサルティングは、外資系というイメージに反して離職率が低いという特徴があります。

アビームコンサルティングにおける評価制度

アビームコンサルティングの評価制度は、個人の成長と会社への貢献を重視した体系が特徴です。人事評価は年に2回行われ、個人の年次目標に対する達成度(MBO評価)に加えて、会社や組織への貢献度を反映した相対評価がなされます。この二重の評価基準により、公平かつ包括的な評価が目指されています。
シニアコンサルタントまでは、一定の業務をしっかりとこなしていれば昇進が可能とされていますが、マネージャー以上の役職に昇進するには個人の実力が強く求められます。具体的には、プロジェクトの成功やクライアントへの大きな貢献、リーダーシップ能力などが重視されるため、具体的な成果がなければ昇進は難しくなるでしょう。
そのため、管理職以上のポジションに進むことができない人もおり、実力次第でキャリアが大きく分かれる点が特徴です。このような評価制度は、社員一人ひとりの努力と成果を正当に評価する反面、能力の高さが求められる厳しい一面も持ち合わせています。

アビームコンサルティングでの働き方は?

アビームコンサルティングでは、働き方改革を積極的に推進しており、社員の働きやすさを重視した取り組みが行われています。平均残業時間が比較的少ないため、ワークライフバランスを保ちながら働くことが可能です。また、キャリアアップ支援にも力を入れており、社員が自身のキャリアを積極的に築ける環境が整っているとも言えるでしょう。

働き方改革を積極的に推進している

アビームコンサルティングは、働き方改革を積極的に推進しており、社員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を提供しています。コアタイムなしのフレックス制度を採用しており、前日の仕事で帰宅が遅くなった場合でも、翌日は午後からの出勤が可能です。また、介護や育児、自己研鑽のために週4日勤務を選択することもできるため、仕事とプライベートの両立がしやすい環境が整っています。このような取り組みは、社員の多様なニーズに応える柔軟な働き方を実現しています。
参考:https://www.abeam.com/jp/ja/recruit/welfare/

平均残業時間は少なめ

アビームコンサルティングの平均残業時間は公表されていません。しかし、総合系コンサルティングファームの平均残業時間である約55時間と比較すると、ややホワイトな労働環境と言われています。多忙なコンサルティング業界において、この残業時間の少なさは、働き方改革の取り組みや、業務の効率化が進められている結果だと考えられます。業務効率化を支える一因として、本社が日本にあることが挙げられます。日本に本社があることで意思疎通が取りやすくなり、迅速に仕事の判断を下せるようになっています。
同業他社と比べても、アビームコンサルティングは社員のワークライフバランスを重視し、適切な労働環境を提供していることが特徴です。特に、プロジェクトの進行やクライアントの要求に応じて柔軟に対応しながらも、無理な長時間労働を避ける取り組みが功を奏しています。このような環境は、社員の疲労やストレスを軽減し、長期的なキャリア形成においてもプラスとなる要素であると言えるでしょう。
アビームコンサルティングには、労働時間を抑えつつも質の高い成果を求める環境が整っており、働きやすさとやりがいを両立させることができる会社となっています。

キャリアアップ支援がある

アビームコンサルティングでは、社員のキャリアアップを積極的に支援する体制が整っており、個々のキャリアプランに合わせた様々な支援が提供されています。その一環として、PDLP(Professional Development Learning Program)自己研鑽プログラムが用意されており、社員が自己啓発やスキルアップを図るための幅広い学習機会を得ることが可能です。PDLPを通じて、専門知識やリーダーシップスキルの向上を目指す社員は、外部の研修や資格取得、MBAプログラムなど、自分に適した学習プランを選ぶことが可能です。
また、育休取得者向けの復帰支援セミナーも実施されており、育児休業後の職場復帰がスムーズに進むようにサポートが行われています。このセミナーでは、仕事と家庭の両立を図るためのアドバイスや、復帰後のキャリアプランの再構築などがテーマに取り上げられ、社員が安心して職場に戻れるような環境が整えられています。
このように、アビームコンサルティングは、社員一人ひとりのキャリアニーズに応じた支援を提供し、長期的なキャリア形成をサポートする取り組みを行っているのが特徴と言えるでしょう。

アビームコンサルティングで働くうえでのやりがいとは?

アビームコンサルティングで働くうえでのやりがいは、自律的に仕事を進める社員にとって特に大きなものとなります。自分の考えやアプローチを尊重してもらいながら業務を進められる環境が整っています。また、高い年収が仕事と向き合う支えになることも多いです。さらに、キャリア開発の機会が豊富で、自身の成長を実感しながら働くことができる点も、やりがいを感じる要素の一つです。

自律的な社員であるほど働きがいを感じられる

アビームコンサルティングでは、社員が自律的に行動できる環境を積極的に整えており、これが働きがいを高める要因となっています。社員一人ひとりが「こういうふうに働きたい」といった声を上げることができ、その意見を基に組織や働き方を変えていく仕組みが整っています。これにより、社員は自分の働き方やキャリアに対して主体的に関わることができ、より高いモチベーションを維持しやすくなっていると言えます。
特に「Business Athlete」という概念が、社員の働きがいを象徴しています。これは、卓越したプロフェッショナルとして持続的にクライアントへの提供価値を高めていくことを目的とした、ワークスタイルの変革を推進するものです。アビームコンサルティングの、ビジネス界のアスリートとしての姿勢を示しています。アビームコンサルティングは、このビジョンを実現するために、自律的に働く社員を支援し、彼らが自分の目標を達成できる環境を提供しています。このようなアプローチが、社員にとっての働きがいを大いに高める要因となっています。

年収が高い

アビームコンサルティングは、業界内で高い年収水準を誇る企業の一つです。コンサルティング業界では、優れたスキルと経験を持つプロフェッショナルに相応の報酬が支払われることが一般的ですが、アビームコンサルティングも例外ではありません。社員の年収は、個人の持つ専門性やプロジェクトでの貢献度に応じて高く評価されるため、業界標準を超える高い水準が維持されています。

役職年収範囲
ビジネスアナリスト(新卒)450~600万円
コンサルタント600~750万円
シニアコンサルタント720~1,000万円
マネージャー1,000~1,400万円
シニアマネジャー1,250~1,900万円
ディレクター1,800万円~
プリンシパル2,500万円~

この高年収は、アビームコンサルティングが優秀な人材を惹きつけ、維持するための重要な要素となっており、業界内での競争力を高める一因となっています。年収の高さは、プロジェクトの成果や会社への貢献度に基づく評価によって決定するため、成果に応じた報酬が担保されています。

キャリア開発が可能

アビームコンサルティングでは、キャリア開発に対するサポートが充実しており、転職後も自分のキャリアを積極的に築くことができる環境が整っています。上司やメンターが親身に相談に乗り、個々のキャリアプランに合わせたアドバイスや支援を提供してくれます。こうした支援により、社員は自分の目標や興味に応じた業務に挑戦する機会を得ることが可能となっています。
さらに、多くの業務に挑戦できる環境が整っており、プロジェクトの幅広い経験を積むことで、専門スキルやリーダーシップ能力を向上させることも可能です。アビームコンサルティングは、社員の成長を支援するために、さまざまなトレーニングプログラムやセミナーを提供しています。これらのサポート体制により、社員は安心して新しい挑戦に取り組んでいます。

まとめ

アビームコンサルティングの働き方には、激務とされる面もありますが、それは高い業界標準の中で成果を上げるための努力の一環とも言えます。多忙な業務の中でも、自律的な働き方が奨励され、社員一人ひとりが自分のスタイルで成果を創出し続けています。また、年収の高さやキャリア開発の支援、働き方改革の進展など、社員のモチベーションを高めるための取り組みも充実しています。アビームコンサルティングは、厳しい環境の中でもやりがいを感じられる職場であり、働きながら成長し続けるためのサポートが整った企業であると言えるでしょう。

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